ペライチ創業者 山下翔一のブログ~佐賀から世界へ~

100以上の法人や国・自治体とのプロジェクトを手がける起業家 山下翔一のブログです

個人と地域のブランディングの本質について〜働き方改革の前に「生き方改革」「在り方改革」を!〜

世界中の誰もが見たことのない人口減少・少子高齢化という景色をみている日本の今は「自分にとっての本当の幸せ・豊かさとはなにか?」を再定義するターニングポイントでもあると思う。

 

働き方改革もそのいちピースだが、働き方改革の前に「生き方改革」「在り方改革」をやるべきだ。

 

本来、働くことや事業というのは、自分の生き方や人生の理念やビジョンがあって、そこに紐付いてくる。どう生きたいかがあって、どう働きたいか・何を仕事としたいか、がその後にくる。

 

だから、一人ひとりが「どう働きたいか?」を考える際にはその前に

「どう生きたいか?」「どう在りたいか?」「人生においてなにを生んでなにを遺したいか?」

を考えてほしいんだ。

 

 

会社においても、そう。会社の理念やビジョンの前に、経営者お一人おひとりの人生における理念やビジョンを言語化し、それをもとに生きること。それが生き生きとした魅力的な会社をつくる鍵を握っていると思っている。

(創業社長よりも二代目以降の受け継いだ側の社長は特にそのギャップに苦しんでいる)

 

人によっても、同じ人でもステージによっても「理想とする生き方」が変わってくる生き物。どう生きたいか?を考えるときに重要になるのが「どこで生きるか」だ。つまり地域というのは大事な選択肢になってくる。

 

 

注目を集めている「定額で日本中の住宅に暮らせる」を目指すADDress(代表取締役社長:佐別当隆志さん)みたいな取り組みはもっと広がるだろう。LIFULLさんが主導する空き家バンクの整理や空き家の見える化ももっと進むはず。

 

その先に人は、いつでもどこでも住める「Living Anywhere」という価値を手にすることができるのか?私はまだそれだけでは不十分だと感じている。なぜか?「どこでも住める環境」が整っても肝心の「どこに住みたいかを”選べない”」からだ。

 

 

これってペライチにも似ている。日本中にインターネットというインフラは整っているのに、日本中の事業者の10%もインターネットを活用できていない、というのが実態だ。そこに我々はITだけでなく「信頼できる地元の人」を通してペライチをきっかけに「優しくITをインストールする」ということをやっているのだ。

 

「選択肢がある」ことと「選べる」ことは違う。まずは選択肢を用意し、そして選べるようにしなければいけないのだ。そのためには、各地域地域の「魅力を見える化すること」が大事。そのために全国の自治体がこぞって自分たちの地域の魅力をブランド化し、それをPRしているのだ。

 

 

一方で、これは個人にも言えることだが、ブランディングというものを履き違えている自治体・首長さんがとても多い(そもそも一般的なブランディングという言葉自体があまり好きではないんだけど。。)。

 

その典型的な例が「自分の地域にないものをとってつける」である。東京ナイズもその一つだし、よくある「便利な某モールを誘致する」とかもその一つだろう(笑)もちろん、生活が便利になること自体は全く否定はしないが、それではブランドにはならない。

 

 

ブランディングとは、マーケッター的に平たく言うと

「人々の脳内SEOで1位をとること」なのだ。

 

つまり「尖ること」が大事なのだ。それをビッグワードでとるのかニッチワードでとるのか、それはその地域(やその人)の自由だ。

 

しかしながらいずれにしても尖らないと意味がない!!尖らなければいくら選択肢の一つとなっても「選ばれない」のだ!だからこそ「よそのものをとってつける」ではブランドたりえないのだ。

 

 

本当のブランディングとは、よそからてきとーにキーワードをとってくるのではなく、まずは自分の地域の魅力(独りよがりのやつじゃなくね)を知り、価値に気づき、それをキーワードとすること。つまり脈々とその地域で受け継がれてきた「伝統」「文化」「その地域の当たり前、でもよそからみた当たり前じゃないもの」これこそがブランドの種になるなのだ。

 

ブランドコンサルタントの守山さんが『ブランディングとは「らしさ」を際立たせること』と仰ってたが、本当にそのとおりで『「らしさ」を際立たせて、尖らせて、人々の脳内SEOで1位をとること』なのだ!

 

 

そして、地域の魅力を引き出すためにしばしば質問をする。そのときによく耳にする「あなたの地域の魅力を教えてください」は普通の質問である。でてくることは大体知ってるから、だ。

 

でも私が一番驚くことがバンバンでてくる魔法の質問は「あなたの地域の”当たり前”を思いつくだけ教えてください!」だ。経験上これが最強だ!なぜか??

 

あなたの町の当たり前を教えてくれたら、全国を見てきた私がその中から”当たり前じゃない”ものを教えてあげるよ!」ということだ。

 

当たり前なくらいに文化や習慣になっていて、かつ「外からみたら当たり前じゃない」これが一番レバレッジが効くのだ。

 

 

例えば、1月に佐賀県の有田町の町長の松尾さんとランチしたんだけど「あなたの町の魅力ってなんですか?」だと大体「有田焼」がでてくる。それだと「ですよね!」になる。

 

でも「有田町の皆さんの当たり前ってなんですか!?いろいろ教えてください!」っていうと凄いのがでてきたんだ…例えば

 

「有田町の川の河原には、普通に数百年前の陶器の破片(貴重な文化財)が落ちてるのよ。しかもそれを勝手にもち帰ることは条例違反になるから!」って。。「おもしろい!!!そんな町はきいたことない!!」ってなるわけです。それは全然当たり前じゃない!!笑

 

 

このように「地域の当たり前、でも外からみたら当たり前ではないもの」を磨いて磨いて尖らせていくことこそが、結果的に、その町や自分の強烈なブランドになるのだ。

 

だから地域も人も、まずは己を知ること。

 

どう生きたい?どう在りたい?を知り、自分の魅力を知り、それが独りよがりなものではなく、他者からみた相対的な評価として、認識すること。

 

そしてそれを磨いて磨いて尖らせていくこと。それが結果的に「大きな価値」を生むのだ!

 

皆さんは

「どう生きたいですか?」

「どう在りたいですか?」

「この世に何を遺したいですか?」